予防矯正

やまぐち歯科では現在、予防矯正として床矯正という治療方法を取り組んでおります。
床矯正は、可徹式床矯正治療といい取り外しが自由に出来ます。この治療に使うのを床矯正装置といい、一種の入れ歯のようなものです。入れ歯にネジがついていて、そのネジを回してあごを拡げたり、歯を動かしたりしていきます。
床矯正といいましても色々な考え方があります。当院では東京都中野区でご開業されている、鈴木設矢先生が代表を務められている『床矯正研究会』の会員(山口靖彦・山口真智子)として、日々診療させていただいてます。
床矯正研究会HP http://www.esprit.or.jp/
私たちがこの先生の下で教わりたいと思ったきっかけが、この本との出会いでした。
『抜かない歯医者さんの矯正の話』 鈴木設矢 著
弘文堂 定価(本体1800円+税)
一歯科医師として、歯並びが今後乱れると予想されるお子様を、矯正治療は高いから手が出せないとそのまま放置されてしまうことに抵抗を感じておりました。せっかくご本人もしくは家族の方が、早い時期に歯並びの異常に気がついていたにもかかわらず、です。後からあの時治療しておけばと思うと、後悔しても悔やみきれません。この本はそんな私たちの悩みを解決してくれる内容が満載です。その後、すぐに勉強会に出席させていただき現在に至ります。
お子様の歯並びには関心があるけども、費用で悩まれているようでしたら是非この本を読んでみてください。床矯正におきましては賛否両論がありますが、選択肢の一つとして考えていただければよいと思います。
予防矯正の装置について
前回、床矯正は可徹式床矯正治療といい取り外しが自由に出来、この治療に使うのを床矯正装置といい、一種の入れ歯のようなもので、入れ歯にネジがついていて、そのネジを回してあごを拡げたり、歯を動かしたりしていきますとの内容をお話しました。
実際の装置がこちらになります。
これはほんの一例です。実際は治療を受けられる方によって、バネの形や床(ピンクの部分)の形や大きさが異なります。写真にもあるように、上下に装着が可能となっています。片方だけでよい場合もあれば、二つを同時に使用していただくこともあります。きちんとした診断を受け、正しい使用方法を守ることがきれいな口元、歯並びを作る秘訣です。
さて、この装置は先ほども述べたように取り外しが自由にききます。ゆえに治療結果は、家族の方の協力と本人のやる気に左右されます。床矯正は入れ歯と同じような装置です。床矯正装置で歯を抜かずに歯並びが良くなると言う患者さんの自覚が大切です。治療中に装置を入れている一時的な不快感と、歯を抜く一生の問題とでは比較にならないと思います。
治療開始のタイミング
歯列不正は、様子を見ていたらひどくなるばかりです。治療が遅れると、それに比例して治療期間も治療費も余計にかかることになります。早ければ早いほどカンタンに治ります。
お母さんが「おかしい?」と思ったときが治療開始のタイミングです。
歯医者さんに相談して歯列不正の状態や程度、不正を起こした原因などをしっかりつかむようにしましょう。特に子供の時期には、つめを噛んだり、顎に手を当てたりする悪習慣で慢性的な力が加わり、歯は移動してしまいます。
大事にならない前に手当てするのが早道です。
例えば、どんなに大きな火事でもはじめはボヤから始まります。むし歯も予防処置を行えば、治療時間もさほどかからず、安い治療費用で済みます。歯列不正の治療も同じです。第一発見者が「様子を見ましょう」などと構えていては、大やけどをします。ボヤのうちに治療するのが一番です。
ご家族の方、お子様の口の中を見てあげてください。何か気になることはありませんか?少しでもおかしいと感じたら、すぐにかかりつけの先生に相談してみましょう。少しの勇気が、お子様の一生をよりよいものに出来ると確信しております。